お金持ちの考えること

ちょうど通勤の乗り換えで通る一角に
大手の銀行がある。
以前は駅ターミナル内ということもあって
ずらずらとATMが並んでいるフロアだったのが、
通りから見えるようにして、「お金セミナー」を
始めるようになった。

お昼間にもやってるのかもしれないんだけど、
ちょうど退勤時間に始まるセミナーは
席が埋まっていることが多い。

必ずしも出席している人たちが「お金持ち」なわけじゃ
ないんだろうけど、テーマが「資産運用」だったりすると
彼らの両肩に金塊なんかがどっしり乗っかってるように
貧乏人には見えるわけさ。　え？　私だけ？
なんだかなー…

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若い頃、東急の五島氏に興味があって、
『西武vs東急戦国史』（上・中・下）（角川書店）を読んだ。
一応読破はしたものの、まだまだお尻の青い私には
正直チンプンカンプンだった。

あるとき、父親が部屋で私の本を物色していて
「お、これ貸してくれ」というので、家庭内図書館で
貸し出してやった。布団の中に入ってからが父の読書時間で
そのときはちょうど読む本が切れたところだったらしい。
「難しいで」と言う私。
私の年代ではチンプンカンプンだったが、父の年代では
等身大の人間の生き様となって、面白く読めたらしい。
やがて読み終わった父が「金持ちの考えることは違うなあ」と
言ったのを、前会長逮捕のニュースに思い出す。

昔の日本にだって尋常でないコトや尋常でない考え方のヒトが
たくさんいたわけで、たまさか今まで存続してきただけで
それがスタンダードになってしまったコトもたくさんあるのだろう。

日々生きることにいっぱいいっぱいの身にはとても重たい話だ。