生け花に使う、あれだ。
私「なんです？」
ボ「あ、食材をこれで糸状に細かくできませんか？と言われました」
ああ、またその場で断りきれずに持ち帰ってきたな。
要は、あるものをこれか、こういった類のもので引っ掻くなりして
糸状（カニカマを裂いたような感じね）にするということであった。
私「ケンザンって中国にあります？ いや生け花は日本のだから
こんな道具って無いですよね」
ボ「こういう形では無いと思う。コレ見たとき、昔の中国の刑罰で
使ってるモノかと思いましたヨ。何でそんなモノがあるんだと、
不思議だったし、驚きましたヨ」
私「ああ、五刑とかいう。拷問で使われていそうな感じですね」
ボ「ちょっと怖いです」
物理的というか、加工の方法や形状を説明するために、お客さんは
用意してきたのだろう。
まさか本気でコレを使って加工するはずはないと思うんだが、
食べ物ならば、日本で売ってる便利な調理道具を探して
ドンピシャでなくっても、考えに近いものを使うことをしないのか？
と不思議に思った。いや、不思議というか嫌悪感というべきか。
私は常々、食品に携わる人が家事（特に食事を作る・片付ける）に
無関心でいること、つまり何にもしない、というのはおかしいと
思っている。
たとえ何も買わなくても、類似品がどんな形で店頭に並ぶのか、
どんな人たちが買っていくのかを知るために店に足を運び、
たとえ全食事・全献立を作らなくても、扱っている食材の調理の
方法や試食をするために台所に立ったとしても、バチは当たらない。
むしろそれが無くてはお客さんに説明できないと思う。
ボスは日本で言う亭主関白だし、強烈な頑固者で、
いくら言ってもアドバイスは聞かないので、私は今では
もう諦めてはいるけれども、コレ（ケンザン）を出してきて
ボスに持ち帰らせた得意先の担当者は、おそらく家では何も
しないんだろうな、と思った。
百歩譲って、何もしなくてもいいけど、食品関係の人間が
こういうセンスじゃあ、ちょっとね。
そのケンザン、ボスどうするんですか？
まさか、EMSで送れというんじゃないでしょうねぇ…(-公-)
―――
「持っていきますよ」うっわー！ やっぱし。
空港で引っかかってくれるなよ。
コメント