記念

2009年5月13日 日常
私 「昨年はいろいろありましたよねえ」
ボス「ほんと、まいりましたよねえ」
うちの事務所は直接何かあったわけでもないので、
ボスがまいったというのは少し大げさだな表現だけれども、
2008年は、五輪五輪と浮かれている一方で、悲劇に遭った人や
暴動に巻き込まれた人、建設ラッシュで生活が変化した人たちの
怒りや悲しみ、辛さが何かのパワーとなって爆発したんじゃないか、
大陸の深層部には龍がいてるんちゃうか? なんていう伝説まで
あったくらいだ。
それが、今年に入ってなんと平寧なことか。
お客さんは「万博までおとなしいはず」とか言ってるし。
ま、公開されてないことも相変わらずゴマンとあるでしょうし、
あんなに大きな面積で人口も多いのに、大事件が起こってないわけない。
くらいに思っておいた方が、何かあっても驚いたりしないのかも。

で。
四川がフューチャーされたトピックに
『名に「震」の字がついたこども』
headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090512-00000103-scn-cn
というのがあって、驚いた。

「あまりよくない出来事だったのに、こんなストレートな字を使うんですねえ」と
ボスに言ったら、
「文化大革命のときだって、『文化』『文革』って言う名前は多かったですよ」
と言われた。
ちゃんと調べてないので断言できないが、日本の、阪神や新潟の震災のときだって
「震」なんて字は当ててなかったろう。そもそも名前に相応しくない。
きっと、前向きで明るくて、希望が持てるような字を使うと思うんですけど。
漢字の意味には「とどろく」などと、ポジティブにとらえられなくもないのもあるにはあるが。

日本語の音読みが同じの「晨」という字は「あした/朝」という意味があって、
もしかしたらこれを示してるのかな、と思ったけど、中国語の音は
 晨 chen2
 震 zhen4
で、全く同じではない。
むしろ、同じ音の違う漢字の意味を採るのなら
 真、貞 zhen1   とかの方が命名には相応しい気がするのだが。

そうボスに話したら、
「記念ですよ、記念(=紀念 ji4 nian4)」と。
ま、出来事を刻むという意味ではあろうが、人の名前は悲劇そのものを刻むには
重くないかい? 

あ、そうか。
「日本でも戦時中、勝男や勝子さんが多かったのと一緒か」と私。
でもそれは記念じゃない。祈願だ。
戦時中の悲惨なありさまを名前には残さない。
辛いけど頑張ってる、というのなら、頑張ってる、未来は明るいという方を採るし。

命名の認識が違うんだなあ、と感じた少し興味深い話でした。

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