春惑

2010年3月19日 日常
余裕の無い朝は 鳥のさえずりも耳に入らない
色づいてきた木々の蕾を見上げようともしない
頬に当たる風の強弱を 季節の変わり目だと思わない
自分の眉間に深く刻まれた皺や とがった口にも気がつかない

たくさんの人が走ってるターミナルは 朝から埃っぽくて
「走るくらいやったら、一本早い電車に乗れ」と毎日思う
翻る春物の柔らかいスカートも気にせず 若い人はどうして
細いヒールの靴で あんなに全力疾走できるんだろうか
わたしも若いときは ああだったんだろうか

電車を下りて歩くこと数分 街路脇に植わる桜草に
「口角上げて テンション上げて」って言われてる気がした

バスに乗り 今日もふと傍らの窓を見たら 指名手配者の写真があった
毎日乗ってても 大して意識せずに見ていたであろう三人の顔は 
急にどこにでもいそうな気がして 今朝は 写真と目を合わせないようにした
昨日から 今朝から 少しずつ特集が組まれている昔の事件
15年前の明日は とんでもない事が地下鉄の中で起きた日
その約ふた月前には 大きな地震も起きた
日本はどうにかなっちゃったんじゃないか
この先いったい どうなるんだ
薄ら寒い感覚が小さな島国をかすめていった そんな年だった

それから十数年経っても 不安感がぬぐえないとは 思っていたろうか
そんでまた
これから十数年経てば 何か良くなってるだろうか 満足してるだろうか





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